リュスティックは、水分量の多い高加水のハードパンです。
一次発酵が終わった生地を分割して、切りっぱなしのままホイロして焼き上げます。
形も不揃いになりがちなので、フランス語で「田舎風」という意味らしいですよ。
切りっぱなしなので、そのままの素朴な感じが田舎風ってことですかね。
昔はリュスティックをまとめて焼いて保存していたようで、乾燥しないために水分量が多くクラスト(皮)もしっかり焼きこまれています。
そのため、焼き立て冷めたてはザクっとした食感、一晩おくともちっと歯ごたえのある食感になります。
クラムは高加水なので大小の気泡がボコボコ入っています。
みずみずしく、とてもジューシーです。
分割してわりと小ぶりサイズなものが多いので、サンド用としてもオススメですよ。
高加水のリュスティック、今回は軽く焼くために「ポーリッシュ法」で仕込みます。
難しそうですが成型は切りっぱなしにするだけ!
上手く焼くためのコツもご紹介します!
リュスティックのレシピ
材料 4個分 加水90%仕込み
★ポーリッシュ種
- レーズン酵母エキス 60g(20%)
- 準強力粉 60g(20%)
※レーズン酵母エキスの作り方はコチラ↓(別タブで開きます)
★本生地
- ポーリッシュ種全量
- 強力粉 240g(80%)
- 水 210g(70%)
- 塩 6g(2%)
風味を出したかったので、オートリーズに全粒粉を使いましたが精白された粉でもよいですよ。
OPERAは吸水も良く扱いやすいブレンド粉です。ホシロリ小麦やホクシン小麦も配合されているので、歯切れもよいです。
ちなみに、生地の下の焼成後写真で十字クープのリュスティックがありますが、これは「E65」をメインに使っています。
- ()内はベイカーズパーセント。粉の全体量でベイカーズパーセント100%としています。
- 水分は、夏場は冷たく、冬場は人肌程度に温めておきます。
- 今回は、強力粉は「キタノカオリ」、準強力粉は「E65」を使用。どちらも国産小麦。
季節や湿度によって粉の吸水率が変わります。また、粉の種類が変わっても吸水率も変わります。水分は一度に入れず2~3%調整用に残して、様子をみながら足しましょう。
※ベイカーズパーセントの詳細はコチラ↓(別タブで開きます)
1、ポーリッシュ種
※ポーリッシュ法とはどういうものかコチラの記事を参照ください(別タブで開きます)
ポーリッシュ種の材料をボウルに入れ、ゴムベラで粉気のなくなるまで混ぜる。
暖かいところ(25~28℃)で3時間程度発酵させる。
その後、冷蔵庫に入れて8~12時間程度冷蔵発酵させる。
タイムスケジュール的には、夜ご飯の準備とともに種を仕込み、寝る前に冷蔵庫に入れると、翌朝すぐ作業できるので楽です。
2、生地作り(捏ね~一次発酵まで)
詳細は 下記記事 を参照してください。
※別タブで開きます
●本捏ねの時に、ポーリッシュ種全量と粉と水を合わせてオートリーズします。
●発酵倍率は1.5倍程度になるまで。ポーリッシュ法は発酵も早いのでタイミングをよく見てください。
●時間があるときは、低温長時間発酵で12~18時間寝かせると、より軽く美味しく焼けます。
3、成型
作業台と生地にたっぷり粉を振る。
タッパーをさかさまにして生地を取り出す。作業台に面している方が表面になる。
生地の四隅を引っ張り正方形にする。
上から1/3、下から1/3を折りたたんで、スケッパーで4等分する。
切り分けたパンマットにたっぷりと打ち粉をし、とじ目を下にしてマットに乗せる。
パンマットの端と端を合わせて、生地がだれないようにヒダを作る。
生地が緩いため、ベンチタイムはとりません。
どうしても生地がべたついて扱いにくい場合は、一度冷蔵庫で30分ほど冷やしてみてからチャレンジしてみてください。
4、ホイロ
常温(25℃前後)で45分程度置く。
生地が緩んで空気を含み、ひとまわり大きくなる程度。
オーブンはあらかじめ300℃(最高温度)に予熱しておく。
その際、上段には、石(またはタルトストーン)を敷き詰めた天板をいれ、一緒に予熱する。
※オーブンはホイロが終わるまでに予熱が終わるように、早めに予熱をしておくこと!
5、焼成準備
別の切り分けたパンマットに打ち粉をして粉のついた面を生地にのせ、ひっくり返して生地をのせていたパンマットが上になるようにする。
上のパンマットをそっとはがして、とじ目が上の状態にする。
そのままくるっとひっくり返しながら、天板に敷いたオーブンシートに並べる。
水分量が多い柔らかい生地なので、ホイロ後の移動時に傷がつくとガスが抜けてしまいます。
この方法なら生地に負担なく天板に移動できるので、私はこのやり方でやっています。
パンマットの扱いについては、こちらの投稿も参考にしてくださいね!
生地の表面にクープを入れる。
生地がくっついて入れにくいなら、何度か入れてもOK!
5、焼成
予熱が完了したオーブンに、上段の天板にお湯を適量いれ、下段に生地を入れる。
そのまま300℃で5分焼く。スチーム機能がある場合は5分スチームをかける。
5分後に上段の天板を外し、温度を230に下げて15分焼く。
途中、焼きムラ防止に天板の上下を入れ替える。
オーブンの開閉はスムーズに!やけどに注意!
焼き上がり
全体に気泡が入っているみずみずしいクラム。
リュスティックの気泡がかっこよく入るコツは、生地を触りすぎないこと。
私はパンマットをカットして使うことによって、生地の移動のストレスが激減したので、これはオススメです!
簡単なリュスティックサンド。目玉焼きとブラックペッパー、オリーブオイル、塩。ランチにピッタリです♪
※ご質問等は各ページ下部にあるコメント欄からどうぞ~♪お気軽にご利用くださいね。
こんにちは、最近パン作りを初めた者です。リュスティック等のハード系パンを作ってみたいのですが、このレシピは、ドライイーストでも作ることが出来ますか?自家製酵母も今後トライしてみたいと思っているのですが、初心者のためまだ手が出せずにいます。そのため、ドライイーストでも出来ないかなと思い質問させていただきました。宜しければアドバイスを頂けると嬉しいです!
コメントありがとうございます。
お返事が遅れてしまいすみませんm(__)m
小麦プラスレシピのリュスティックは、酵母エキスを使用したポーリッシュ法で作っています。
ドライイーストでのポーリッシュ法で作るリュスティックもできると思いますが、やったことがありません(^^;
ドライイーストの長時間発酵の場合、どれくらいの温度でどのくらい発酵をとるかにもよるのですが、
私のレシピの発酵時間だと、0.5~1%くらいかな、と思います。1%だと多いかも。
ポーリッシュ種の酵母エキス分を加水とし、0.5%~のドライイーストを加えてみたらよいかと思います。
(試していませんので、あくまで想像です。うまくいかない場合もありますので、ご承知おきください。)
参考になりますように。
お返事ありがとうございます。
1度ドライイーストでトライしてみます。レーズン酵母では無いのですが、ヨーグルト酵母を仕込み中なので、上手くいかなかったらヨーグルト酵母でもう一度焼いてみようと思います!
こんな質問に丁寧に対応してくださってありがとうございます!
こんにちは。天然酵母です。レーズン酵母でポーリッシュ法に挑戦。冷蔵発酵を2回。加水は湿気が多くて85%に減。焼成前の移動で生地を傷めてしまい、気泡が荒れたのでしょうか?また、いつもクープもうまく行きません。カンパーニュを焼いた時もクープではない底の方が割れます。コツなど教えて頂けると嬉しいです。
>ろうころころ様
コメントありがとうございます!
お返事遅れてすみません。
リュスティックのようなパンは、なるべく触りすぎないことがコツです。
水分が多いので、クープも入れにくいですよね。
焼成前に表面を少し乾かして、表面をピンと張らせながら入れるとやりやすいと思います。
クープが開かず、底の方が割れるのは、オーブンの熱風のせいで表面が乾燥してしまい、開く前に固まってしまったのだと思います。
底の方が熱風の影響を受けにくいので、そっちが割れるようになるんですよね。
庫内の熱風乾燥を防ぐには、蒸気を多く入れる工夫をしたり、ボウルを被せて焼いたり、色々試してみてください。
リュスティック、カンパーニュなど加水の多いパンは、粉の銘柄などで生地の仕上がりも変わりますし、
オーブンの種類などで工夫する点も変わってくると思います。
オーブンの癖などは、私もいろいろなオーブンを試していないので、こればかりはご自分で調べて工夫していただくのがよいです。
上手くいくようになるといいですね!
ご丁寧なお返事ありがとうございます。クープのコツ、是非試してみます!また、底が割れる原因、目からウロコでした!ファン付きのガスオーブン、カラッと焼けてお気に入りでしたがそんな落とし穴があったとは!上手に付き合わないといけないですね。粉も種類が沢山!いろいろ工夫してみます。元気出ました〜
こんにちは。
自家製酵母で作るパンの初心者です。
いつも、レシピを見させていただいております。
早速、質問なのですがリュスティックを酒種で作ることは可能でしょうか??
レーズン酵母を常備はしておらず、酒種のみ常備しておりまして、酒種で焼くことはできないのかなと思い、質問させていただきました。
>むく様
コメントありがとうございます!
酒種でもリュスティックは出来ますよ。
でも、レシピの工程のポーリッシュ法は酒種にはあまり向かないので、酒種でやるならストレート法だと思います。
パンチでつないで、生地のボリュームを出すように仕込むとよいかと。
夏場では酒種ダレやすいので、温度には注意が必要です!
お返事ありがとうございます!!
酒種でできるのですね!早速やりたいと思います。
ストレートで、オートリーズしたらいい感じですか?
パンチを2.3回行い生地を繋げていく方法でうまくいくでしょうか?? パン作り用語もよく分かっていないのですが、捏ねずに生地作るやり方でいいでしょうか?
>むく様
そうですね!
加水が多いのでオートリーズは必須です。
捏ねずにパンチでつなぐやり方がよいと思います。パンチの回数は生地の状態を見て、張りがあるなら2回でよいし、まだ緩いなら3回いれてよいでしょう。
様子を見て進めてくださいね!
とても、早い返信ありがとうございます!
了解しました!!
早速やってみたいと思います。
いつも、こちらのサイトでたくさんのレシピお借りして作らせていただいております。
感謝しています!
また、アップされるのをたのしみにしております✨
上のコメントで気になったので質問させてください。
なぜ、酒種はポーリッシュ法に向かないのですか?
あとオートリーズで全粒粉を使ったとありますが、ポーリッシュ種につわれたのですか?
さっちこ様
コメントありがとうございます!
お返事遅くなってすみません。
酒種は、タンパク質分解酵素が強いので、水分の多いポーリッシュ種では活動が強くグルテンを分解してしまい、デロデロの種になりやすいです。
これは、一度試してみるとよくわかりますよ!
ポーリッシュ種にも全粒粉使っています。
お返事ありがとうございます!
試したところだれだれになりました.
なんとか焼けましたが、とてもクープが入れづらい生地になりました!
さっちこ様
やっぱり、酒種のポーリッシュはだれますよね(^_^;)
でも、ご自分で試された方がよくわかると思いますので、今後の参考にしてもらえれば嬉しいです!
リュスのポーリッシュは、私はレーズン酵母エキスを使ってます。しっかり気泡も入るので、オススメですよ(^_^)
ありがとうございます!
今レーズン酵母エキスがあるので作ってみます^ ^
いつもレシピをお借りして色々焼かせていただいていますこの作り方でリュスを何度か焼いていますが、真ん中に大きな穴が空きやすいです。今日は特に顕著でした。ここだけガスが抜けていなかったかなとも思いましたが、見るとクープが一番開いている(高さが出ている)あたりがちょうど大穴の場所のようです。ゆうみさんのように、全体に均一に気泡が入らない原因は生地づくりにあるのか焼き方の問題なのか酵母なのか…迷走しておりヒントを頂けるととても嬉しいです。
レシピや工程、焼き方は、ほぼ忠実に再現しています。
naoko様
コメントありがとうございます!
リュスティックなどの加水の高いハードパンに大きな気泡が入るのは、生地作りのグルテンや成型時のガス抜きなどが関係していると思います。
加水の高いパンは均一に丁寧にガスを抜いたりはしないので(ガスは潰さずに均一に散らしていくイメージ)、ある程度気泡の大きさがそろわないのはよくあることですが、グルテンが生地全体にしっかりできていれば、気泡が膨らむときにガスをうまく包み込んで、気泡の大きさもうまく均一になるのではないかなぁ…。
でも、私もカンパーニュなどで大穴よく空きます。笑
成型時のガス抜き不足の場合がほとんどですね。
大穴が開くと、その部分がクープ良く開きますよ。でもその場合は大体クープの開き方もすごく盛り上がったりします^^;
参考になれば幸いです。
さっそく返信をいただきありがとうございます!
グルテンやガス抜き、言われてみて納得です。クープが開くから大穴…ではなく、ガスがそこに多いから膨らみやすくて、結果としてその部分のクープがよく開くのですね!成型時に散らす、意識してみたいと思います。グルテンも、次は生地をみてもう少ししっかりめに作るようにして再度トライしてみます。
そしてカンパーニュも真ん中の大穴がよくありますので…同じように意識してみます。
お忙しい中、丁寧に回答いただき本当にありがとうございました。
こんばんは。
すみません、こちらのレシピですがポーリッシュ生地を元種に置き換えることは可能ですか?
元種も1:1で繋いでおり、ポーリッシュと作り方が同じなので既にできてる元種で良いのではと思いました。
もし可能であれば、分量はどのくらいになりますか?
一度真似して作ったのですが、粉がリスドオルで作ったので生地がダルダルすぎて、ひどい焼き上がりでした(T_T)
ですが味は家族に大好評でまたリベンジしたくコメントさせていただきました。
うぐいす豆のリュスティックに挑戦したいと思っています
うぐいす豆はどのタイミングで入れるのが良いですか?
とりあえず今、最終パンチに入れて作ってみようと思っています!
Mm様
いつもコメントありがとうございます!
リュスティックに具材を入れる場合、3回あるパンチの2回目で入れています。
塩入れ手ごね→パンチ1→パンチ2(具も一緒)→パンチ3
みたいな感じです。
参考にしてくださいませ!
ホシノ酵母からルヴァンを作りたいと思ってます。
ポーリッシュ種はホシノルヴァンと同じ液だねと考えていいと聞きましたが、このレーズン種と同じような配分で作って使って大丈夫でしょうか?
質問わかりにくかったらすみません。
よろしくお願いします。
nokoさま
コメントありがとうございます!
お返事が遅くなってしまい申し訳ございませんm(__)m
ホシノ酵母でルヴァン…ごめんなさい、ちょっとわからないのですが、ホシノ酵母はそれで酵母として完成しているもので、ルヴァンとは小麦から起こす酵母という認識です。
ホシノ酵母(液種)を使って発酵種を作るということであってますかね?
>ポーリッシュ種はホシノルヴァンと同じ液だね
ポーリッシュ種は、液種と粉を混ぜて起こす発酵種なので、液種ではないと思います。液種=水分だけの種ではないということですね。
ホシノ酵母を使ってポーリッシュ種のような発酵種を作る場合、レシピのレーズン酵母液種よりもホシノ酵母の方が発酵力があるので、同じ割合だとうまくいかないと思います。
一般的にホシノ酵母はパンに対して8%程度だと思うので、その割合を基準にした方がよいと思います。
ホシノ酵母を液種としてポーリッシュ種を作る場合も、水分量はレシピのベイカーズパーセントを参考にしてくださいね。
質問の内容と回答があっていなかったらすみませんm(__)m
参考になれば幸いです!