中種法とポーリッシュ法、やり方とコツについて

パンの製法で、よく使われる中種法ポーリッシュ法
画像左が中種、右がポーリッシュ種です。どちらも仕込んだばかりのものです。
(タッパーの中で混ぜ合わせているので、見た目汚なくてすみません^^;)

名前は全然違うのですが、粉の量や水分量が違うだけで基本的なやり方は一緒です。
事前に分量内の粉と酵母(と水分)を合わせて前種を作り、発酵させ、本生地を作る方法です。

しかし、粉の量・水分量が違うだけで、ずいぶんと特徴やメリットデメリットも変わってくるのです。
それらを知れば、もっとパン作りが簡単になりますよ!

ここでは、中種法・ポーリッシュ法について詳しく説明したいと思います。

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ここではまず、中種法とポーリッシュ法の特徴をおさらいしましょう。

中種法の特徴

<水分量>
種生地の水分は粉の60~70%程度。固い。指でつつくと跡がつく。

<混ぜ方>
粉と水分を合わせ、粉に水分がいきわたる程度の混ぜ方でよい。しっかり捏ねたりはせずにグルテン骨格を残すイメージ。
グルテン骨格が残っているので、本ごねのとき強いミキシングにも耐えられる。

<生地に入れる量>
中種を作ることで発酵力が安定し、ボリュームのあるパンになる。
そのため中種は50%以上入れた方が効果がある。100%中種にすることもある。

<特徴>
・水分が少ないため微生物の活動は鈍い。そのため酵母は多めに入れることができ、安定した発酵力が得られる。
・微生物の活動が弱いため、発酵が生み出す風味は弱い。
・酵母の量が多くできるため、一次発酵も短くてよい。ダメージに強く、生地はソフトに焼き上がる。
・発酵力が安定しているため、食パンや菓子パンによく使われる。
・中種を作るときにあらかじめ糖分も加える加糖中種法もある。

ポーリッシュ法の特徴

<水分量>
種生地の水分は粉と同量~2倍。柔らかい。

<混ぜ方>
水分が多いシャバシャバした種なのでヘラ等でよく混ぜ合わせる。そうするとグルテン骨格は破壊される。なので本ごねでは強いミキシングはせずに低速で捏ねると伸びやすい生地になる。

<生地に入れる量>
グルテン骨格が壊れているゆるい種なので、生地に入れる量は30%程度。

<特徴>
・水分が多いと微生物の活動も活発なので、酵母の量は少な目でよい。
・微生物の活動が活発であるため、発酵が早く、酵素の働きも良いため、パンの風味がよくなる。
・グルテン骨格を破壊してあるので、窯伸びしやすくて歯切れのよい焼き上がりになる。生地が緩いため、気泡が広がりやすい。
・歯切れがよく気泡も入りやすいため、バゲット等によく使われる。
・老化が遅く、ボリュームが出やすい。気泡は粗い。

 

中種法、ポーリッシュ法を使用したレシピ

中種法、ポーリッシュ法の特徴を確認したところで、実際の使い方はどのようにしたらよいのでしょうか。参考レシピをご紹介します!

中種法の参考レシピ

苺酵母の厚焼きマフィンのレシピ/作り方

2019年2月25日

苺酵母の厚焼きマフィンでは、中種の粉量が全体の50%です。これは50%中種法ということですね。
中種の水分である苺酵母エキス75gは、中種の粉量150gの60%になっています。固めの種です。

パン・オ・レのレシピ/作り方

2019年2月22日

パン・オ・レでは、中種の粉量が全体の66%になっていて(生地の66%が中種)、水分は中種粉量の60%になっています。

このように、中種は固めの種で作っています。

ポーリッシュ法の参考レシピ

リュスティックのレシピ/作り方

2018年12月2日

リュスティックでは、ポーリッシュ種に使う粉量が全体の20%です。生地の20%がポーリッシュ種ということです。
ポーリッシュ種の水分は、粉と同じ量です。

ポーリッシュ種は水分量が多く、柔らかい種です。

 

種の発酵時間は?

ポーリッシュ種の方が水分量が多いので発酵が早いです。
酵母量20%の場合、同じ28℃環境で、3倍になるまでにポーリッシュ種は3~4時間、中種は5時間程度かかります。
(使用する酵母の量や状態によって変わるので、あくまで参考値です)

ポーリッシュ種発酵前
3時間で約3倍程度

(写真、暗くてわかりにくくすみません^^;)
種をどこまで発酵させるかによって、その後の本生地の発酵や焼き上がりにも違いが出てくると思いますが、私は大体3~4倍程度まで発酵させてから使っています。

中種発酵前
約5時間で3倍程度

 

また、季節によっても発酵時間が変わります。

春秋で室温が22~25℃程度の環境では、夜寝る前に種を仕込みオーバーナイト発酵させると、朝起きたら種が完成しています。

また夏場の熱い時期は、常温で1~2時間置いた後に冷蔵庫で発酵を進めるやり方もできます。

その時の気温に合わせて、工程管理しやすいように種を作るのがよいと思います。

 

種の使い方は?

こちらは出来上がった中種とポーリッシュ種です。

種ができたあとは、すぐに本ごねに使用してよいのでしょうか?
それとも冷蔵庫で熟成させたほうがよいでしょうか?

中種でもポーリッシュ種でも、上記どちらもやったことあります。どちらも、そのまま本ごねに使用することはできます。
種が完成してからそのまま本ごねをする利点としては、種の温度が下がっていないため本ごねの生地の捏ね上げ温度が調整しやすい点です。

ポーリッシュ種は酵母量も少ないので、冷蔵庫で熟成させた方がより粉の風味を活かした焼き上がりになると思います。
3倍くらいまで発酵させたポーリッシュ種は、冷蔵庫で若干種落ち(増えたカサが減ってしまうこと)しますが、特に気にしなくても問題ないと考えています。

完成した種を冷蔵庫に置いた場合は、種の温度を復温させる必要があります。
特に中種は本生地に入れる量も多いので、低いまま使うと捏ね上げ温度が低くなってしまいます。

冷蔵庫に置く場合、ゆっくりですが発酵は進むので、あまり長く置きすぎない方がよいと考えています。
元種を起こすときのように何度も継いでいくわけではないので、なるべく完成したてのフレッシュで元気な状態で使いたいです。
私の感覚なのですが、24時間以内には本ごねするようにしています。

 

まとめ

中種法もポーリッシュ法も、やってみると簡単にできます!
そして、重くもっちりしがちな自家製酵母のパンでも、軽くふんわりした焼き上がりにすることができます。

自分の作りたいパンがどちらの製法がよいのか…悩んでみたら、まずは簡単な中種法をオススメします。
ハード系ならポーリッシュ法が向いているかもしれませんね。

でも、製法とパンに向き不向きはあるかもしれませんが、自分の好きなように作ればいいと思います!
それが家庭で作るおうちパンの醍醐味ですよね♪

私は最近、ポーリッシュ法で作る角食が気に入っています。
角食なら中種法が向いていると思いますが、ポーリッシュ法で軽く歯切れよく焼き上げられますよ。
(その代わり、捏ね時間はいつもより控えめにしています。しっかり捏ねると生地がゆるゆるになるので^^;)

いつもストレート法で作っていたパンを、ちょっと工夫してみると新たな発見があるかもしれません。
ぜひ試してみてくださいね!

※ご質問等は各ページ下部にあるコメント欄からどうぞ~♪お気軽にご利用くださいね。

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4 件のコメント

  • こんにちは、いつも参考にさせていただいてます(^^)
    ひとつ疑問なのですが、例えば元種として酵母エキス:粉を3:5で仕込んで3日間かけ継いだものと、最初から中種として粉の60%の酵母液で1日発酵させたものを使用するのではまた変わってくるのでしょうか?いまいち、元種と中種の違いがわかっておりません(;_;)
    よろしければお答えいただけると嬉しいです(^^)

    • コメントありがとうございます。

      元種と中種、それぞれ作り方はいろいろなやり方がありますので、私のやり方に対してお答えしますね。

      元種と中種の大きな違いは、
      元種は元種として作ったものを20%程度配合するのに対して、
      中種は作る予定のパンの総量から30%程度を中種とします。
      大きな違いは、配合される酵母エキスの割合が違います。
      酵母エキスが多い中種の方が、発酵も早いです。

      では、元種のメリットとは?
      すばりエコなんだと思います。
      少量のエキスで大きく培養でき、それをハード系からソフト系まで色々使うことができます。

      それに対して中種は、焼こうとするパンの一部を種にするので、汎用性はないです。
      その分、目的のパンには特化した種なんだと思います。

      私の認識はこんな感じなんですけど、間違ってたらすみません(^_^;)
      ちなみに、私はどちらも使っていますよ!
      食パンは主に中種です。

      参考になれば幸いです。

  • 迅速なお返事ありがとうございます(^^)
    なるほど、そうなんですね!
    自家製酵母は中々奥が深くて面白いです。
    色々試してみようと思います!

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