パン作りに欠かせないのが「小麦粉」です。
小麦粉とは、雑穀の「小麦」を粉状に挽いたもので、含まれるたんぱく質や硬度によって下記種類に分類されます。
小麦の種類
●硬質小麦
粒が硬くたんぱく質が多い。
たんぱく質の一種であるグルテンの量が多く、製パンに向いている。
また硬質小麦のうち、たんぱく含有量の目安が11.5~12.5%のものを『強力粉』と言い、これはボリュームのある食パンなどに適している。
たんぱく含有量の目安が9~11.5%のものを『準強力粉』と言い、歯切れのよいフランスパン生地や菓子パン生地などに適している。
●中間質小麦
粒の硬さは普通、たんぱく質の量は中程度。たんぱく含有量の目安は8~9%で『中力粉』と言われる。
主にうどんなどの製麺に向いている。
昔から日本で作られている小麦はこれにあたる物が多い。
●軟質小麦
粒が柔らかくたんぱく質が少ない。たんぱく含有量の目安は6.5~8%で『薄力粉』と言われる。
グルテン量が少なく、天ぷらやケーキやお菓子などに向いている。
灰分とは
さらに、小麦粉の品質を表すのに灰分(かいぶん/はいぶん)があります。
灰分とは、小麦を高温燃やした時に燃えずに残る灰のことで、小麦に含まれるリン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄などのミネラル類のことです。
一般的には、灰分の少ない小麦粉は白くきれいな色をしています。
反対に、灰分の多い小麦粉は灰白色のくすんだ色をしています。
灰分が多い小麦粉には、ミネラルが多いので栄養価的には良いと思われるのですが、灰分が多い箇所は小麦の表皮側にあたり、グルテンも少ない箇所なので、生地の伸びが弱かったり、麺にしたときに舌触りが悪かったりします。
小麦粉の等級分けでは、胚乳側でグルテンが多い=上級粉、表皮側でグルテンが少ない=下級粉の小麦粉となります。
有名な国産小麦というと、強力粉では「はるゆたか」や「キタノカオリ」など、薄力粉では「ドルチェ」「クーヘン」などがあります。
外国産小麦では「スーパーノヴァ」「ゴールデンヨット」「スーパーキング」などがあります。
また、古くより品種改良されていない古代小麦「スペルト(ディンケル)小麦」という種類もあります。
小麦とは種類が違うのですが、パンに使う穀物で「ライ麦」もあります。
小麦の精製について
お米に白米と玄米があるように、小麦も精製によって、以下の種類に分けられます。
- 小麦粉 … 小麦粒から表皮と胚芽が取り除かれて精製されたもの。白い。
- 全粒粉 … 表皮や胚乳、胚芽をつけたまま小麦粒ごと挽いたもの。全体的に茶色がかっていて、くすんでいる。
- 小麦ふすま … 小麦粒の表皮部分。小麦ブランともいう。
- グラハム粉 … 全粒粉同様、小麦粒の全部の部位を使う。小麦粒から胚乳を使い通常の小麦粉を作り、取り除いた胚芽や表皮は別に粗挽きにし、最後に混ぜる。部分ごとの栄養価や風味が損なわれない手法だが、手間がかかる。
挽き方も、機械で挽くものや石臼で挽くもの、仕上がりも粗挽きや細挽きによって、含まれる栄養価や風味も変わってきます。
パン作りに慣れてくると、作りたいパンによって小麦粉の種類を選ぶこともあると思います。
小麦粉も種類により風味に違いがあるので、同じ材料で作っても焼き上がりや味も変わってきます。
たんぱく含有量や灰分は小麦粉のパッケージや、購入元のWEBサイトなどに表示があるので、参考にしてみてくださいね。
※ご質問等は各ページ下部にあるコメント欄からどうぞ~♪お気軽にご利用くださいね。
コメントを残す